誰を守ろうとしているのか
2012年8月、原子力損害賠償紛争審査会で、
「(財物賠償基準)どうして審査会ではなく、
経産省が基準を作ったのか」という質問が委員から出た。
資源エネルギー庁は、賠償審査の本来の担当者である審査会にも知らせず、
独自の判断で基準を作っていたのだ。
2012年12月16日、野田首相は、「私が本部長を務める原子力災害対策本部を開催し、
原子炉が冷温停止状態に達し発電所の事故そのものは収束に至ったと判断をされる、
との確認を行いました。これによって、
事故収束に向けた道筋のステップ2が完了したことをここに宣言をいたします。」と述べた。
2020年夏季五輪の開催地を決める国際オリンピック委員会(IOC)総会で、
安倍晋三首相は「(福島第1原発の)状況はコントロールされている。
東京にダメージが与えられることは決してない」
「汚染水による影響は港湾内の0.3平方キロの範囲内で完全にブロックされている。
抜本解決に向けたプログラムを私が責任を持って決定し、すでに着手している」と答えた。
東京電力は2013年9月中間決算で、1400億円を超す大幅な経常黒字に転じた。
原発がほとんど動かないなか、電力各社も業績改善が相次いだ。
電気料金の値上げで利用者に負担増を求めた一方、コスト削減も進んだからだ。
それでも、各社そろって原発再稼働が必要だと訴える。
原発なしで経営を維持することは、本当にできないのか。
東電が大幅な黒字になった最大の要因は、電気料金の値上げだ。
放射性物質汚染対処特措法は原子力事業者が除染費用を負担するとしているが、
国が立て替えた後に東電へ請求した404億円のうち337億円が未回収になっている。
石崎副社長は支払いに応じていない理由を「資料確認など事務作業に時間がかかっている」
「経営状況が思わしくない」などと説明。
東京電力福島第1原発事故の損害賠償や除染事業で、
政府が原子力損害賠償支援機構への資金支援の上限を、
現行の5兆円から引き上げる方針を固めたことが8日、分かった。
政府・与党が検討を進める福島復興加速化案で追加的な賠償や除染費用などが加わるため。
新たな上限は8兆~10兆円を軸に検討する。