24日、午前スイス放射線防護局代表のアンドレ・ヘルマン氏と
フリブール大学の物理学者で放射線の専門家ハンスルエディ・フェーケレ氏と懇談。
日本では考えられないと思う。
こうした要職にあるかたが
市民と直接話すことができるとは・・・・
それとこうした要人ときちんとコネクションを持っているグリンピースの活動にも驚く。
内容はきわめて率直で意義のあるものだった。
スイスでは、福島の原発事故で原発推進派の原子力委員会の会長が辞任したそうだ。
また、スイスは4年前にIAEAの勧告を受け入れて
原子力の設置機関と規制監督する機関を分けたそうだ。
旧来の人と新しい機関の人は入れ替えたのかと聞くと
ほぼ同じ人だと応え、組織の変革と人員の育成を同時に行う必要があり
時間がかかると応えた。
規制値の問題では、緊急時と日常の規制値を分ける意味を
チェルノブイリの経験から話した。
日本ではこの値は受け入れられないだろうと話すと
それは、やむを得ないことだと応えた。
科学者としての誠実さがにじみ出ていたが
原発そのものがなくなることこそ
こうした厄介な問題がなくなるのではと問うと
議論と納得が大事だと応えた。
午後、国会へ向かう。
国民議会副議長のマヤ・グラフさんと話す。
農家でもあるというその女性は、緑の党所属で
気さくな方だった。
一緒にいた緑の党の代表は若い女性で妊娠7ヶ月だという。
国会の中を案内してもらったが
入るときのセキュリティは厳しいが
国会の中はきわめて自由だ。
会議場の外はまさにロビーストたちが
活躍できそうなカフェになっている。
日本ではいま54基中2基しか稼動していないと話すと
「スイスよりも早く原発から撤退できますね」
「いいえ、政府は再稼動を企んでいます」
「あなた方の犠牲を省みない政府ですね」
「だからスイスに来ました。みなさんの取り組みを学びに・・・・」
「ありがとう。私たちもがんばります」
西山さんが避難のこと子どものことを話すと
目に涙を浮かべてじっと聞いていた姿に
ああ、信じられると確信した。