ある友人から「人権という幻」という本を紹介された。
『朝日新聞』2011年11月13日(日)付で
こんな記事があるから読んでみたらということで
--「著者に会いたい 人権という幻 対話と尊厳の憲法学 遠藤比呂通さん」、
憲法を実践、釜ケ崎で生きる
1996年、36歳で東北大学法学部の助教授を辞め、
その2年後に大阪・西成の労働者街「あいりん地区」(釜ケ崎)で弁護士事務所を開業した。
「辞表を出した時点では、実は宣教師になろうと思っていたんです」
関西の大学の神学部に通いながら、釜ケ崎でボランティア活動していこうか、
そんな風に考えていたら、釜ケ崎の支援者から切り出された。「法律をやっているなら、
違う闘い方があるだろう。ここには医者はいるけど、弁護士がいない」。
当時は大学院で5年以上教えると弁護士資格を取得できる制度があった。
「後になってみると、自分のミッション(使命)が実現したということかもしれません」
大学を離れても、研究者であることまでやめたわけではない。
著書での肩書も「弁護士/憲法研究者」だ。だが「もし大学に残っていたら、
この本は百%書けなかったでしょう」と語る。
野宿のテントを強制撤去されたホームレス、
夜間中学の学校運営を批判して卒業文集の作文を勝手に修正された在日韓国人女性、
日の丸・君が代の強制に反対して処分された小学校教師。
人間の尊厳を訴える様々な依頼人たちと出会い、
憲法を実践するための対話を重ねてきた。
「幻なき民は滅ぶ、という聖書の言葉があります。
人権という幻は決して虚妄ではなく、共同体が共有すべきvision(先見)なのです」
「人権という幻」は、常に完全に実現することはないだろう。
しかし、依頼者たちの苦しみと怒りの中から立ち上がってくる
言葉が刻みつけた「幻」は、消えることもない。
早速、アマゾンで購入して読んだ。
さまざまな事例を材料に「人権」という幻を
裁判という場でたたかう姿に
なぜここまでたたかえるのかという「疑念」が
頭から離れなかった。
そして、本の中で紹介されている
「幻なき民は滅ぶ」に出会う。
著者 ドロテー ゼレ。
いいです。なぞが解けました。