24日午後、ベルン州立職業専門学校で話す機会を得た。
学校はとてもモダンな校舎だ。
ガラス張りの大きな教室。
100人は超える学生が私を待っていた。
働きながら学ぶ学生たちで目が輝いて見える。
日本にもこうした学校が欲しい。
質問から入った。
ー日本の印象は?
早速手が挙がる。
「日本に昨年いったがとても美しい国だ。」
その美しい国が放射能で汚された。
スイスも美しい国だから放射能で汚して欲しくない。
それを実践できるのはあなたたちの世代だ。
原発は青年の未来を奪うことになる。
事故の状況を縷々話す。
学生たちの目がさらに大きく見開く。
最後にこう話した。
スイスは、直接民主主義が息づく国だ。
それは、自分たちの権利を単に人に委ねない精神であり
いま、福島は復興がテーマになっている。
復興とは、人間がまず復興しなければならない。
復興とは、たたかう事だ。
たたかうとは、いのちそして大事なものを守ることだ。
それは、自らの権利を勝ち取ることだ。
スイスという国をもっと磨き上げて欲しい。
話を終えて質問はあるかと問うと
さあっと手が、ドンドン挙がる。
うらやましいという感情が湧く。
その質問も的を得たものが多い。
ー東電はどうしてつぶれないのか
ー54基中2基しか動いていないのに電力不足は何故起きないのか
ー自然エネルギーの普及はどうなっているのか
質問に応えて壇上から降りると
大きな拍手と歓声が湧き上がった。
スイスは、未来を手にしていると感じた。
夜、ラングナウでの集会に出る。
酪農の盛んな地域であり多くの農民が参加していた。
乳を捨てざるを得ない話には涙ぐむ姿も見られた。
ここにも日本人が多数参加していた。
浅草出身という女性がスイス人の夫と子ども二人で来ていた。
なんと、お土産を準備して。
「私たちのできることは何でもします。」の言葉に
こちらも目頭が熱くなった。
はじめて会う人ばかりだが
ずっと前からの知り合いか
親戚に思えてくる。
日本人は、祖国を愛している。